MARKET NOTE 006
POPUPは「リアル版の運用型広告」になり得る
POPUPを1週間出店して、思ったほど売れなかった。
そこで「この場所はダメだった」「POPUPはうちには向いていない」と終わるのか。
それとも、
「何が売れて、何が売れなかったのか」
「人通りは多かったのに、なぜ立ち止まってもらえなかったのか」
「お客様からどんな声があったのか」
を振り返り、次の出店に活かすのか。
ここが、POPUPを単なる販売の場で終わらせるか、マーケティングとして活用できるかの分かれ道だと思います。

人通りが多ければ、売れるわけではない
駅ナカや駅前など、人通りの多い場所に出店すれば自然と売れる。
必ずしも、そうではありません。
特に通行スピードの速い場所では、商品を並べているだけでは、そのまま通り過ぎられてしまいます。
まず商品に気づいてもらう。
立ち止まってもらう。
興味を持ってもらう。
そして購入してもらう。
そのためには、売場の高さや見せ方、POP、パッケージ、試食、声掛けなど、視覚や聴覚も含めた工夫が必要です。
人通りの多い場所に商品を並べ、販売員がその場にいるだけなら、POPUPの価値を十分に使えているとは言えません。
それなら、サイネージ広告や無人販売でも担える役割があります。
POPUPだからこそできるのは、人に伝えること、反応を見ること、会話すること、試してもらうこと。そして、その反応を次の改善につなげることです。
売れなかった理由を、ひとつにしない
売上が伸びなかった理由を、すべて「場所が悪かった」で終わらせるのも少し危険です。
価格が合っていなかったのかもしれない。
自宅用には量が多かったのかもしれない。
ギフト対応があれば買ってもらえたかもしれない。
賞味期限や持ち運び条件がネックになったのかもしれない。
「もう少し小さいサイズはありますか」
「プレゼントにできますか」
「通販はありますか」
「近くに店舗はないんですか」
こうしたお客様の声には、商品開発や売り方を改善するヒントがあります。
買ってくれた人だけでなく、買わなかった人の反応もデータです。
その場で買わなかった人も、成果になり得る
POPUPの成果を、その場の売上だけで判断する必要もありません。
商品を知った。
ブランド名を覚えた。
試食して美味しいと思った。
SNSをフォローした。
帰宅後にECサイトを見た。
その場では購入しなくても、後日ECで購入するかもしれません。
あるいは、大阪で初めて見たブランドを京都で再び見かけ、さらにSNSでも目にして、神戸のPOPUPで初めて購入することも考えられます。
こうした接点を積み重ねることも、広告・宣伝活動のひとつです。
POPUPは「リアル版の運用型広告」

デジタル広告に置き換えて考えると、POPUPは少し違って見えてきます。
場所=媒体
売場=クリエイティブ
通行客=インプレッション
立ち止まり=興味・反応
購入=コンバージョン
そして、一度出店して終わりではなく、
出店 → 分析 → 改善 → 次の出店
と繰り返していく。
そう考えると、POPUPは「リアル版の運用型広告」と捉えることもできます。
大阪、京都、神戸など複数の商圏を巡れば、場所による客層や価格反応、売れ筋の違いも比較できます。

そのデータは、次の出店先だけでなく、商品開発、価格、パッケージ、EC、SNS、さらには常設店の候補地を考える材料にもなります。
広告と販売を同時に行える可能性
サイネージなどの広告は、認知を取るために相応の費用がかかるケースがあります。
一方POPUPでは、
認知+体験+販売+顧客の声+データ取得
を同じ場所で行うことができます。
施設によっては、館内サイネージや館内告知などが出店施策に含まれる場合もあります。
さらに商品が売れれば、広告的な活動をしながら、そのコストの一部を販売で回収できる可能性もあります。
もちろん、POPUPには人件費、施設手数料、物流費、什器、在庫などのコストがあります。
そのため「POPUPの方が広告より必ず費用対効果が高い」という話ではありません。
大切なのは、売上だけで判断せず、その1週間で何を得られたのかを見ることです。
「いくら売れた?」から「何が分かった?」へ
POPUPが終わったとき、
「1週間で、いくら売れましたか?」
だけでなく、
「1週間で、何が分かりましたか?」
と考えてみる。
売る。
知ってもらう。
試してもらう。
話を聞く。
改善する。
そして、次の場所でまた試す。
それを繰り返すことで、単発の催事だったPOPUPが、ブランドを育てるマーケティング活動へ変わっていくのではないでしょうか。
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