MARKET NOTE 007
人気のPOPUPスペースは、なぜポータルだけでは見つからないのか。
POPUPをやってみたい。
全国のPOPUPスペースを検索して、駅前や商業施設、百貨店などを見ているけれど、なかなか「ここだ」と思える場所が見つからない。
あるいは、すでに何度かPOPUPを経験しているけれど、次に出たい施設になかなか進めない。
そんなブランドも少なくないと思います。
今は全国のPOPUPスペースを検索できるポータルサイトも増えました。
場所、期間、広さ、料金などを比較でき、初めてPOPUPを検討するブランドにとっても、とても便利な入口です。
ただ、実際に売場を探していると、一つ気づくことがあります。
「WEB上で検索できる売場が、POPUP市場に存在するすべての売場とは限らない。」
そして、もう一つ。
「人気の売場は、見つければ出店できるというものでもありません。」
売場探しは、不動産物件探しに少し似ている
POPUPの売場探しは、不動産の物件探しと少し似ています。
家や店舗を探すとき、まず不動産ポータルを開きます。
エリア、広さ、家賃などの条件を入れて物件を探す。
とても便利です。
ただ、条件の良い物件が必ず長期間ポータルサイトに掲載されているとは限りません。
既存顧客への紹介や仲介会社同士のつながりなどで話が進み、一般公開される前に決まるケースもあります。
もちろん、不動産とPOPUPは同じではありません。
ただ、
「WEB上で公開されている情報=市場に存在するすべての選択肢ではない」
という点では、少し似ています。
POPUPでも、公開募集されているスペースは重要な入口です。
一方で、施設や売場によっては、過去に出店したブランドや継続取引のあるブランドなどで、年間スケジュールの一部が組まれている場合があります。

人気売場には、人気売場なりの「枠の埋まり方」がある
人気のある売場ほど、毎回すべての枠をゼロから募集しているとは限りません。
例えば、
過去にしっかり売上を作ったブランド。
施設との相性が良かったブランド。
運営上のトラブルがなく、安心して任せられるブランド。
年間に複数回出店しているブランド。
こうしたブランドが再び出店することがあります。
施設側にとっても、一度実績が出ているブランドは次回の売上を想定しやすい。
結果として、新しいブランドが入れるのは、
既存ブランドが出店しない期間や、ブランドの入替、新規企画などのタイミングになることがあります。
だから、
「人気スペースを検索して、空いている日程に申し込めば出店できる」
という単純な構造ではないのです。
ブランドが売場を選ぶ。一方で、売場側もブランドを見ている
ブランド側から見ると、
「人通りが多い」
「駅前にある」
「有名な商業施設」
「ここなら売れそう」
という理由で売場を選びます。
しかし、施設側にも選ぶ理由があります。
その商品が施設の客層に合っているか。
売上が期待できるか。
商品に新鮮さがあるか。
十分な商品を供給できるか。
販売体制を組めるか。
施設のルールに対応できるか。
売場全体の編集方針と合っているか。
つまり、
「ブランドが売場を選ぶだけではなく、売場側もブランドを見ています。」
人気の売場ほど、「どれくらい売れるか」を見られる
ここは、初めてPOPUPを検討するブランドには少し分かりにくいところかもしれません。
施設や区画によって考え方は異なりますが、人気の売場では、
「この場所なら、この程度の売上が欲しい」
という目線が置かれているケースがあります。
例えば、
「日商20万円。」
「日商30万円。」
といった売上水準を想定してブランドを検討する売場もあります。
そうなると、施設側として知りたいのは、
「このブランドが好きかどうか」
だけではありません。
「実際に、その売上を作れる可能性があるのか。」
ということです。
そこで確認されやすいのが、
「これまでどこでPOPUPをしたのか」
「そのとき、どれくらい売れたのか」
という実績です。
過去の出店実績は、ブランド側にとっては単なる過去の結果ですが、施設側からすると、
「次の売場でどれくらい売れるかを考えるための材料」
でもあります。
POPUP実績がなければ、出店できないのか
もちろん、POPUP実績がないブランドが出店できないわけではありません。
ただし、過去のPOPUP売上という材料がなければ、別の材料が必要になります。
例えば、
ECで十分な販売実績がある。
InstagramなどSNSで非常に多くの支持を集めている。
すでに実店舗で人気がある。
メディアなどで大きく話題になっている。
発売するとすぐ完売する商品がある。
こうしたものも、
「このブランドなら、この売場でもお客様を集められるかもしれない」
と判断する材料になります。
逆に言えば、
POPUP実績もない。
ECの販売実績もまだ小さい。
SNSでもこれから。
というブランドが、いきなり最難関の人気売場だけを狙い続けても、なかなか前へ進まないことがあります。
では、どうすればいいのでしょうか。
最初の売場は、「一番有名な場所」でなくてもいい
ここで大事なのが、最初の売場選びです。
POPUPを始めると、どうしても、
「一番人が多いところ」
「一番有名な施設」
「一番売れそうな場所」
に目が向きます。
ただ、本当に重要なのは、
「今のブランドにとって、きちんと結果を作れる売場かどうか。」
です。
ターゲットに合っている。
価格帯が合っている。
必要な商品量を準備できる。
無理なく販売体制を組める。
そういう売場で、まず結果を作る。
そこで、
期間売上。
日商。
客単価。
売れた商品。
お客様の反応。
販売体制。
在庫供給。
といった実績を残していく。
その数字が、次の売場へ進むための材料になります。
売場も、売上も、少しずつステップアップしていく
POPUPは、一度出店して終わりではありません。
最初に相性の良い売場で出店する。
↓
そこで売上実績を作る。
↓
もう一度出店する。
↓
別の施設へ提案する。
↓
さらに大きな売場へ進む。
↓
大阪、京都、神戸など複数エリアを巡回する。
こうして、
「売場と売上を少しずつステップアップしていく。」
一見、遠回りに見えるかもしれません。
でも、実績のない状態で人気売場だけを探し続けるより、結果としてこちらの方が早い場合があります。
人気売場への最短ルートは、
「人気売場への近道を探すことではなく、次へ進める実績を一つずつ作ること。」
なのかもしれません。

「人気売場を探す」から、「次の候補に入るブランドになる」へ
POPUPスペースを探していると、
「今、どこが空いているか」
ばかりを見てしまいがちです。
でも、本当に考えたいのはその先です。
「次に空いたとき、候補に入るブランドになれているか。」
そのためには、
売上を作る。
商品を安定して供給する。
販売体制を整える。
施設に合った企画を作る。
そして、
「もう一度お願いしたい」
と思ってもらえる出店にする。
一つのPOPUPは、その1週間の売上を作る場所であると同時に、
「次の売場へ進むための実績を作る場所」
でもあります。
売場探しを、単発ではなく年間で考える
POPUPを単発のイベントとして見ると、
「どこが空いているか」
「いくらで借りられるか」
「何日間出店できるか」
という話になりやすい。
でも年間で考えると、見え方が変わります。
まず大阪で実績を作る。
次に京都へ広げる。
その次に神戸へ展開する。
それぞれの場所で、どの商品が売れたかを見る。
新しいお客様に知ってもらう。
ECやSNSへつなげる。
そして、また次のPOPUPへつなげる。
そう考えると、POPUPは単なる「空きスペース探し」ではなくなります。
まちラボが考える売場選び
まちかどマーケットラボでは、単に空いているPOPUPスペースを探して紹介するだけではありません。
商品。
ターゲット。
価格帯。
供給力。
販売体制。
これまでの出店実績。
そして、
今回のPOPUPで売上を重視するのか。
認知を広げたいのか。
次の展開につながる実績を作りたいのか。
そうした条件を見ながら、
「このブランドなら、まずどこで実績を作るのがいいか」
を考えます。
そして、その先に、
「次はどこまで行けるか」
を考えます。
すべてのブランドに同じ売場が合うわけではありません。
有名な施設が、必ずしも最初の正解とも限りません。
そのブランドの今の位置に合った売場から始め、結果を残し、少しずつ次へ進む。
POPUPの売場探しで本当に大切なのは、
「一番人気の場所を見つけること」ではなく、
「次の候補に入るブランドになること」。
それが、長く売場を広げていくための一つの考え方だと思います。
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